ぴよきちの娘(現在大学生)は中学、高校時代にバレー部のキャプテンを務めました。
親だから言えますが、最初はそれはもう「キャプテンらしくないキャプテン」でした!
娘は取り立てて凄い決断力や行動力があるわけではなく、試合のときにチームメイトを率先して引っ張って行けるような積極的な性格でもありません。
どちらかと言えば、友達に合わせて行動するタイプでした。
ではなぜキャプテンに選ばれたのか?と言えば、チームメイトと交流することがとても上手で敵を一切作らなかったからです。
娘の通っていた中学の「バレー部のキャプテン決め」は部員の投票制で行われましたが、最初からキャプテンに立候補していたチームメイト2人には1票も入らず、なぜか立候補していなかった娘に部員全員の票が入ったそうです。
何で私が選ばれたの?って驚いたよ。
部員の投票制だと、自己アピールが強くて敵を作りやすいタイプの人は不利になるのかもしれないね。
幸い立候補していた2人と仲良しだったので、「娘になら任せられる」と言ってくれました。
そしてその後はキャプテンの仕事を手伝い、支えてくれました。
部活が終わったあとのカギ閉めを手伝ってくれたり、部員数が多すぎることで指示が行き渡らないときには「ちゃんとキャプテンの話を聞いて!」と横で大きな声を出してフォローしてくれたり、
娘は今でも2人に感謝しています。
さて、このように「チームメイト全員と仲が良かった」という理由だけで中学のバレー部のキャプテンに選ばれた娘でしたが、
高校のときの顧問の先生からキャプテンに選ばれた理由は「試合中に泣かないから」でした。
プレーでミスすると、試合中でも泣いてしまう子が多かったんだよね。
試合中に泣かれるとプレーそのものができなくなっちゃうからねぇ…。
さて今回のテーマの「キャプテンに選ばれる人に必要な性格とは?」ですが、そのチームによってキャプテンに求められるものが違うので正解はありません。
全国制覇を目指すチームがあれば、チームメイト全員で仲良く1回戦突破を目指すチームもありますよね!
それでも「どんなチームでもこれだけは絶対に外せないな」と思うキャプテンの条件を、娘の話を参考にしながらまとめました。
この記事がキャプテンを目指して、日々練習を頑張っている人の参考になれば幸いです。
キャプテンに選ばれる条件
中学・高校と沢山のチームのキャプテンを見て来ましたが、大きく分けて2つのタイプの子がいました。
- 常にチーム全体の事を考えて動きチームメイトの相談に乗る、精神面をかわれるタイプ
- 自分のプレーでチームメイトを引っ張って行く、技術面をかわれるタイプ
娘は完全に1でした。
もちろん両方を兼ね備えている万能タイプのキャプテンもいましたが、娘は自分ができない「2の部分」は副キャプテンやエースなど、他のチームメイトに補ってもらっていました。
何でも1人でやろうと気負わないで、みんなに助けて貰えるように最初からお願いしておけばいいんだよ!
キャプテンだけに責任を集中させず、分散させた方が絶対にいいよね。
ひとりで仕事を抱え込まないようにする性格だけは、キャプテンに向いていたのかもしれません。
「だけ」って言った?
今まで見て来たバレー部のキャプテンが持つ雰囲気は?
バレーが強い・上手いキャプテンよりも、チームを上手にまとめられる、そして頼れるタイプのキャプテンがとても多かったです。
試合中の指示や選手交代など、顧問の先生に頼らず全てキャプテンが仕切っているチームもありました。
バレーは運動神経より経験値が必要となるスポーツだからね。
「チームメイトを叱らなければならないから、キャプテンは嫌われ役になっても仕方ない」と聞いたことがありますが、そんなことは全くありません。
高校では困ったことがあるとその都度、皆で話し合って解決するようにしていたからチームメイトを叱ったことなんて一度もないよ。
チームメイトに嫌われているキャプテンは見かけたことがないです。
チームメイトを叱ることは必要か?
上にも書きましたが、娘はチームメイトを叱ったことは一度もありません。
怪我しそうなプレーをしていたら注意はするけどね。
チームの中に「叱り役」の子がいたので、娘は常に叱られた子のフォローに回っていました。
自分のミスで点を取られたことで叱られて泣いているチームメイトに、「私が点を取り返すから気にしなくて大丈夫だよ!」と笑顔で声をかけながら、背中をポンポンと叩いて励ましている姿を見かけたことがあります。
わざと大声で「今のは私が悪かった!ごめん!」と言ってミスした子を庇うこともありました。
叱り役はチームに1人いれば十分だし、私のミスにすれば誰も怒らないからね。
キャプテンに必要な能力
バレーに限らず、「チームプレイをする部活のキャプテン」が必要とされる能力は以下の5点が挙げられます。
- チームのみんなをまとめる
- チームの雰囲気をよくする
- 練習のとき大きな声で号令や挨拶をする
- 先生の言うことをしっかりと聞いてチームに的確な指示を出す
- 試合のときは自分のプレーで率先してチームを引っ張っていく
自然と身についた能力とは
娘は上に書いた1~4はキャプテンを続けているうちに自然と身につきましたが、5はチームのエースポジションの子に完全に任せていました。
上にも書きましたが、キャプテンが何でも1人で抱え込む必要はないのです。
キャプテンとエースの違い
キャプテンは、常に冷静な判断でコート全体を見る役目があります。
試合中は相手コートの中もしっかり見ているよ!
全体をちゃんと見て、ピンチの時にはピンチサーバーを入れたり、選手交代をさせたりと「試合の流れを変える」役割もあります。
キャプテンは「審判と対話できる唯一の存在」でチームの責任者なのです。
一方エースはピンチの時にボールを託せる存在です。
チームで一番点数を取れる人をエースと呼ぶんだよ!
エースはプレーで皆を引っ張って行ってくれたり、盛り上げてくれる力を持っています。
キャプテンとエースの違いはチーム環境により千差万別ですが、娘はずっとエースポジションに憧れていました。
「キャプテンではなくてエースになりたかった!」と何度も言っていました。
ちなみに、キャプテンとエースを兼ねているチームで強いチームをぴよきちは見たことがありません。
エースのワンマンチームになっちゃうからかな?
部員数が少ないと兼ねることになるんだろうけどね。
キャプテンに向いていない人とは?
真面目で自分1人で全ての部活の悩みを抱え込む人です。
試合の失敗をいつまでもクヨクヨと1人で抱え込んで落ち込んでしまう子は、キャプテンには向いていません。
特に試合中に落ち込まれると、チーム全体の雰囲気が悪くなっちゃうからね。
試合の流れが相手チームに行っていざピンチ!!となった時でも、サッと気持ちを切り替えて笑顔で周りを元気づけることができる、そんなメンタルの強さがキャプテンには必要です。
試合中の部員の気分のムラを少なくすることがキャプテンの大事な役割なのです。
キャプテンの親の役割
チームメイトのママさんたちに連絡を取って、差し入れなどを取り仕切る「キャプテンの親」もいましたが、私は顧問の先生に頼まれない限り自分から動くことはありませんでした。
あくまで「学校の部活」なので顧問の先生主体で動いてもらいました。
公式戦での差し入れだけは、現地の試合を見に来たお母さんたちに声を掛けて、全員で近所のスーパーやコンビニに買い出しに出かけました。
毎回知らないお母さんが「私も一緒に」と買い出しに付き合ってくれたのが楽しかったのですが、ほとんどお母さんとはその大会限りの関係でした。
小さな試合の差し入れは、個人ですることが多かったです。
一度だけ顧問の先生から、「駅から試合会場までが遠いから車を出して欲しい」と頼まれたので、お母さん同士で連絡を取り合って子どもたちを送ったことがありました。
中学・高校と6年間を通して先生から頼まれてやったことはそれだけです。
最後の試合の日は、顧問の先生に小さな花束を用意しましたが、他のお母さんからお金はいただきませんでした。
最後に
部活のキャプテンと聞くと、カッコいい!とか目立ってそう!と思われるかもしれませんが、実際はかなり地味な「雑用係り」です。
プレーで目立ちたいのならエースになることをおすすめするよ!
朝練の日は一番に学校に行って体育館のカギを開け、帰りの戸締りをしてから帰ったり…
顧問の先生がいない日は、決められたメニュー通りに部員全員の練習の指示を出したり…
他にも気づかれない、誰にも見られることがないような雑用が毎日あります。
ぴよきちが一番大変だな…と思ったのは、練習や試合で何かあるとキャプテンが代表して先生に怒られることでした。
試合に負けたあと、先生に怒られて泣いている部員を慰めていたことで帰宅が遅くなり、とても心配したこともありました。
そんな決して楽ではないキャプテンなのですが、「責任感を持って最後までやり遂げる!」という強い意志を持った子はぜひ立候補して欲しいです。
娘はキャプテンをやることで、「キャプテン経験」がある人が見るとすぐに分かるようになったと言ってます。
キャプテン経験がある子は、他人任せにしないで自分の意見をしっかり言える人ばかりだよ。
声が大きくて大勢の前でも物怖じせずにハキハキと話せる子が多いよね。
中学・高校時代はとても大変そうでしたが、娘が大学生になった今、「上に立つ人の気持ちが分かるようになったから、やっておいて良かった」と言っています。
最後にもう一度書きますが、娘がキャプテンを最後まで続けることができたのは、チームメイトの支えがあったからです。
ひとりでは決してできない仕事なので、部員の皆さんに協力してもらって頑張ってくださいね!